千葉市民の肥満および肥満症実態調査 2025年度

ノボ ノルディスク ファーマ株式会社は、千葉市および千葉大学と協力し、
千葉市在住の20〜70代の男女2,400名を対象に、肥満および肥満症についての意識や行動を調査・分析しました。

10人に1人が肥満症?
千葉市の肥満・肥満症の実態

この調査では、千葉市の実際の肥満と肥満症の割合を調べました。
千葉市に住む方の5人に1人がBMI25以上の肥満層であることがわかりました。
また、そのうちの半分、つまり10人に1人には合併症があり肥満症であると推定されています。
実際に肥満症で治療・通院をしている人は、20人に1人でした。

千葉市では5人に1人がBMI25以上の肥満層 (17.9%) 千葉市では10人に1人が合併症があり肥満症であると推定 (9.5%) 千葉市では20人のうち1人が肥満症で治療・通院している (5.4%)

また、肥満は女性よりも男性の方が多く、50代を中心に30-60代で出現率が高くなっていることもわかっています。しかし、同時に体型の悩みを調査したところ、BMI標準層でも20歳から50歳代の女性では8割程度の人が体型に悩んでいるということもわかっています。

これは肥満を健康問題ではなく容姿(見た目)の問題として捉える人が多いことから来ていると考えられます。

知っていますか?
「肥満」と「肥満症」の違い

肥満と肥満症が異なることを知っている人は59.0%でした。意外に多い、と思いますか? しかし、大半の42.1%が「聞いたことがある」というレベルにとどまっています。

「肥満」と「肥満症」は違うということをご存知ですか。

A. 詳しく知っている4.4%、知っている12.5%、聞いたことはある42.1%、全く知らない41.0%

肥満症の内容を「詳しく知っている」「なんとなく知っている」人は合わせて20.9%、つまり5人に1人程度しかいませんでした。また、「詳しく知っている人」にいたっては、医療従事者でもわずか11.4%にとどまりました。

「肥満症」の内容をご存知でしたか。

A.5人中1人が「詳しく知っている」「なんとなく知っている」 5人中4人が「聞いたことがある程度」「全く知らない」

肥満自体は病気ではありませんが、肥満症は病気として治療が必要な状態です。病気か病気でないか、これが「肥満」と「肥満症」の大きな違いです。

肥満:BMI【体格指数:体重[kg]÷(身長[m]×身長[m])】が25以上の状態。 肥満症:肥満を原因とする合併症がある場合や内臓脂肪型肥満(内臓脂肪が多いタイプの肥満)のこと

肥満は自己責任? 社会に蔓延する偏見

本調査では、肥満の人に対する印象を調査しました。
「運動不足である」「食生活や生活習慣が乱れている」「自己責任である」といったネガティブなイメージが上位を占めており、「病気なのかもしれないと思う」「医療機関での治療をおすすめしたい」治療に結びつく印象は少数派でした。

あなたは、「肥満の人」に対して、どのような印象をお持ちですか。
あてはまるものをすべて
お選びください。

1位 運動不足である45.5%、2位 食生活や生活習慣が乱れている40.0%、3位 自己責任である28.0%、4位 体型が好ましくない27.6%、5位 遺伝・体質的なものである26.4%、6位 病気なのかもしれないと思う21.8%、7位 大変そうだと思う21.7%、8位 だらしがない、 怠惰である18.0%、9位 意志が弱い17.2%、10位 加齢のためである12.1%、11位 医療機関での治療をおすすめしたい10.3%、12位 かわいそうに思う6.2%、あてはまるものはない17.7%、% (全体n=2,400)

本来治療を受けるべき本人でさえ、「肥満は本人のせい」と思い込んでしまうことが伺えます。このような意識は「セルフスティグマ(自分自身に対する偏見)」と呼ばれます。

肥満は「自己責任」29.9%、肥満は「だらしがない、怠惰である」23.3%、セルフスティグマで頭を抱える人のイラスト

しかし、肥満は、社会や環境、ストレスによる外的な要因や遺伝的要因などがあり、必ずしも自分に責任があるとは限らないため、決して「自分が悪い」という否定的な見方をするべきものではありません。

スティグマが肥満症の治療を
遠ざけている?

肥満症の疑いがある人や肥満・肥満症の自覚がある方に、医師への相談意向について聞きました。

ご自身や配偶者・同居のお子様/親の「肥満」の悩みについて、
病院に行ったり、
医師に相談したいと思いますか。

A.10人中3人の割合で「そう思う」「ややそう思う」、10人中7人の割合で「あまりそう思わない」 「そう思わない」 「わからない」医師への相談意向について、約3割が 「あまりそう思わない」 「そう思わない」 「わからない」と回答

医師への相談意向について「あまりそう思わない」「そう思わない」「わからない」とお答えになった方に、その理由を聞きました。

あなたは、ご自身や配偶者・同居のお子様/親の「肥満」について、
病院に行き、
医師に相談したいかに対して、
「あまりそう思わない」
「そう思わない」 「わからない」とお答えになりました。
その理由としてあてはまるものを
すべてお選びください。

A.1位 相談するほどの肥満だと思っていないから43.4%、2位 肥満は自己責任だと思うから27.6%、3位 医療機関に行くとお金がかかるから17.8%、4位 相談しても無駄だと思ったから12.4%、5位 どこに行けばいいかわからない9.5%、6位 何も不都合がないから8.7%、7位 肥満のことを相談できると思わなかったから8.3%、8位 相談する時間がないから7.7%、9位 肥満は病気ではないと思うから6.2%、10位 肥満のことを相談するのが恥ずかしいから5.7%、11位 行きたいが通えないから1.5%、その他3.0%、特に理由はない16.3%(医師への相談意向がない・わからない人 n=536)

「自分は相談するほどの肥満ではないと思っている」「肥満は自己責任だと考えている」といった声が多く、これらの背景には肥満に対する理解不足や、スティグマが影響していることが伺えます。

肥満症は治療が必要な病気です。肥満や肥満症を「本人のせい」で済ませないためには、スティグマにとらわれない、正しい理解が必要です。

さいごに

この調査によって見えてきたのは、肥満や肥満症の疑いがある方また周囲の人の、肥満や肥満症に対する正しい理解が足りないこと、また、そこから来るスティグマ(社会的偏見)があることでした。

私たちは肥満と肥満症に対する正しい理解を広めることで、効果的な生活習慣の改善や適切な治療につなげ、「肥満」「肥満症」に悩む市民一人ひとりが対策に前向きになれる千葉市を作っていきたいと考えています。

監修:千葉大学予防医学センター 教授 小野 啓 先生